コサイ君のこと、または、ジャーマンシューズについて

ペンギン堂の飯島です。意見は私個人のものです。

早朝曇っていても暑くなります。体調管理には注意が必要です。

新型コロナウイルス新規感染者が全国で20万人を超え、東京でも3万人を超える新規感染者ですが、果たしてどう対処していくのでしょうか?治療薬が出来ることが第一に思えるのですが、これまであれこれ言われていた既存の薬についてはどうなっているのでしょうか?一過性のニュースばかりに、如何なものかと思ってしまいます。

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さて、高校生活で知り合った友人の中でも、特段にユニークだったのがコサイ君または「コセンちゃん」でした。コセンちゃんというのは当時テレビの笑点に出ていた落語家をイメージしたからでしたが、それ以上にご本人はユニークだったのです。

感じのコサイ君はさいの字が難しい字で明らかに由来は神道系であるとみましたが、当時は分からなかったですね。

コサイ君は、見かけによらずオシャレで、新しい文化にも敏感なところがあり、昭和38年のその頃、ラジオの深夜放送を聴いて僕らに教えてくれましたし、ビートルスを紹介してくれたのも彼でした。その彼の自宅に一度行ったことがありましたが、庭木の鬱蒼とした日本家屋でした。

その彼の影響の一番大きかったのは、靴でした。

僕の子供の頃は運動靴はアサヒシューズ、紐じゃないズック靴、中学生では、月星の運動靴ではじめて紐の靴でした。ちなみに幼稚園では半ズボン靴下に革靴は甲のところがホックどめでした。

高校で革靴で通学するようになって、中野駅南口の今は無くなってしまった靴屋さんで買ったブランドの覚えていない靴で通学していたのです。

そんな時、コサイ君が妙にニヤけて、靴を見せびらかしたのです。

何だろうと思って、その靴を踏んづけようとしたら、慌てて、足を引っ込めると、「大塚製靴のジャーマンシューズだよ」とニヤニヤしながら言うのでした。僕たちガマやガラやスダコは何だそりゃと言う顔で、マジマジと靴を見ると確かに靴は良いものでしたが、コサイ君のズボンは似合っているとは思えないでも、本人はオシャレのつもりで細身のO脚の分かるズボンを履いているのでした。当然僕らは遠慮なくジャーマンシューズを踏んでやったのです。

コサイ君は卒業するまでずっとジャーマンシューズでした。

今もそうなんだろうか?

さて僕はといえばコサイ君がジャーマンシューズなら俺はということです、早速くだんの靴屋さんに行って、リーガルの靴を買ったのです。この靴屋さんは、その後ずっとご贔屓で、この靴屋さんで、良い靴は靴底や踵を張り替えたりして長く使えることを教えてくれて、リーガルの靴もそう取り扱ってくれる店だったのです。

次の日、僕はリーガルの靴で登校してみんなに靴を踏まれたのです。

後年、オシャレの最後の仕上げは靴にあると教えてくれ、靴磨きまで直伝してくれた大久保さん以前に、コサイ君のおかげで、僕は靴と出会ったのでした。その後、現役を引退するまで、田中さんのおかげもあって、僕はずっとリーガルでした。