ペンギン堂の飯島です。意見は私個人のものです。
早朝の西の空です。
雲の切れ間から覗く青空は、深く、いかにも秋の気配です。気温のほうは高く、まだ夏の名残りが感じられます。
着るものや、食べ物など、季節感が難しいです。
あなたの脳は、今、「入」ですか、「出」ですか?
前回からの続きです。先に紹介したい本から、興味を惹かれ手にしたのは、この本でした。
まず、タイトルから惹かれます(ある年齢以上のひとならば)。
著者は、「ヒトの脳のピークは28歳まで。29歳から老化がはじまる」という、ある脳生理学の先生の言葉を引用しますが、その後で、ヒトの脳を装置と見立てて研究していくうちに、面白い発見をしたと報告しています。
それは、「人生の最初の28年間、脳はいちじるしい入力装置」だということ、28年でピークを迎えるのは、入力装置としての脳であり、それ以降は、それまで「入」だったのであれば、「出」の装置として、56歳に向かって成熟していくと考えられるというわけです。
29歳からはアウトプットの時期がはじまる?
いわば、29歳からは「アウトプット」の時代に入るということで、それが、本書のサブタイトルの「脳の本番は56歳から始まる」ということなんでしょう。
これは、勇気が出る。脳硏究の本というのは、大体がポジティブな気分にさせてくれるものが多いのですが、本書は特に、そうか、と、明るい気分にさせてくれます。
50代から成熟が始まるというのですから、それまでの知識や経験、キャリアから生まれる直感、それがたってくるというわけです。「能」や「書」、「古美術」など、言葉にならない深遠の芸術は、60代、70代が支えている、と指摘します。確かに、そうかも。
脳の出力の最大期は84歳まで続く
「旅」と「習い事」は60代から、まだ進化は続くんだそうです。となれば、60の手習い、は、むしろ積極的意味を持っている、ということでしょう。70代、80代は「心の欲するままに従えば真理を突く」んだそうで、出力装置としての脳の性能の最大期は84歳まで続くんだとか。
そうなると、脳はどのくらいの時間を用意しているのでしょうか。
ヒトの脳は自分の満年齢の整数倍の周波数の音に反応すると言うのですが、「いくつかある脳が反応する周波数の中に、寿命を示すと思われるものがある。」そうですが、「脳は、112歳までの旅を用意している」というのが、著者の見解。
ひとは、脳が決めた人生という時間、ゴールにあわせて、自分の脳や体を、静かに折りたたんでいくように見える」というのですが、さて。
ところで、実は、著者の名前に記憶があって、もしやと思って、思い出してみれば、次の本で興味を持った人でした。
この本、ひとの7年ごとの節目、脱皮だけでなく、大衆として、或いは、時代として、同調する、節目があるという、何で時代が形成されるのか、そんな「感性分析」の、面白い記述に満ちているのですが、それは次回に。
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